森博嗣『面白いとはなにか?面白く生きるには?』を読んでみた

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こんにちは、インフラ系サラリーマンぽんしゃんです。

森博嗣『面白いとはなにか?面白く生きるには?』の書評です。
仕事もそこまで面白くないし、趣味と言えるほどのものもない。休日はのんびり過ごせて満足だけど、何か物足りない気もする。そんな自分にとって視界が開けるような内容でした。

著者は大学教員の傍ら、趣味である工作の資金稼ぎのために小説を書き始めたという方。今は大学教員を辞め、仕事も減らし、趣味である工作(庭でミニ鉄道を走らせる等…)に没頭されているようです。

子供の頃は人生が面白かったのに、大人になると面白さを感じなくなったという方は少なくないのではないでしょうか。私もその一人です。
著者は、その原因は、子供の頃は、他者から与えられていた楽しさがあったからだと言います。友達と遊ぶこと、親に連れて行ってもらう旅行。これらは他者が与えてくれていた面白さなのです。
一方、大人になると、他者は面白さを与えてくれません。家族も、友人も、会社の仲間も、それぞれの人生があり、自分とは違う。そういう関係性が本来の人間関係の姿と言えるでしょう。
ですから、自己完結できる面白さが、本物の面白さであると。

自己完結できる面白さを味わうことは容易ではないでしょう。まず、面白いことを考えつかなければいけません。おそらくこれが一番難しいのではないでしょうか。自分は何に面白さを感じるのか。若いうちは仕事の忙しさにかまけて、このことを真剣に考える機会が少ないように思います。しかし、仕事=人生ではなく、人生の面白さを意識的に考えておくということは大切なことでしょう。
また、資金が必要であれば用意しなければいけません。著者は、資金を用意するために大学教員の副業として作家を始めています。日中は仕事があるから夜中にできる仕事は何かと考えて、作家を選んだとのこと。この計画力・行動力には感嘆するばかりです。
考えてみると、ゴールとしての「面白いの実現」があるとして、それに向かっての、準備・実行も面白いことであるように思います。それに取り組んでいる過程がすなわち面白い人生を送っているということになる。漫然と仕事を続けていくのではなく、自分にとっての面白いことを見定め、それの実現のための仕事であれば、仕事の意義が明確になります。

私自身気を付けたいのは、「定年したら好きなことをして過ごそう」という発想です。定年したときにようやく面白いことを探し始めても、容易には見つからないでしょう。そして定年までを我慢の期間ととらえたり、漫然と過ごしたりする人生はもったいない。今をどう面白く過ごすか、これを意識したいと思いますし、どうしたら今を面白く過ごせるかを考えることって、それ自体が面白く、幸せなことであると思います。

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